第1回 企業経営と信頼 – さらなる成長に向けた「信頼」の戦略的活用

”信頼”という新たな経営資源を戦略的に活用し、ビジネスの成長に繋げよ
目次

企業経営と「信頼」

 企業経営において、顧客やビジネスパートナー、地域社会からの「信頼」は非常に重要だといわれます。消費者は通常、得体の知れない相手から商品やサービス(特に高価なもの)を購入することを嫌います。また、ひとたび信頼を失うと、回復するのはなかなか大変であり、これは日々の人間関係を通じても感じられるところです。ビジネスにおいて「信頼」が大切だという感覚は、多くの人に共通するものだと思われます。

 しかし、この「信頼」という目に見えないものについて、企業経営の視点からどのように捉え、どのように活用すれば、より効果的に企業の売上や利益に繋げられるのか、という点については、これまであまり具体的に語られてきませんでした。

企業に対する信頼の揺らぎ – なぜ今、「信頼」に着目すべきなのか

 当社がこの「信頼」という言葉・側面に注目している理由は、この「信頼」を戦略的に活用することで、企業の差別化・成長につなげられると考えられるためです。

 近年、製品・サービスや企業そのものに対する信頼が大きく揺らいでいる、あるいは取引を通じて信頼・期待が裏切られるといったことが増えていると感じます。例えば、

  • 通販サイトで商品を注文したら、売り物とは思えないような品質の悪いものが届いた
  • 取引を行った企業の大きな不祥事が明るみになり、裏切られたと感じた

といったご経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。もちろん、過去にもこのような不良品の問題や不祥事は存在していましたし、単にSNSの発達により明るみに出やすくなっただけかもしれませんが、信頼に値しない製品・サービス・企業が今日においても少なからず存在することは確かです。そのため、あなたの会社やその商品・サービスが、「信頼」に値するものだと潜在顧客に示すことができれば、他社との違いを生み出す差別化ポイントとなりえます。

 また、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG投資、サステナビリティ、脱炭素などの概念に代表されるように、企業には持続可能な社会を構築するための積極的な役割を担うことが求められるようになってきています。これまでは、自社の成長のみに注力すればよかった企業も、これからの時代においては、従来と同じやり方を続けるだけでは信頼に値しないと見なされる可能性があるのです。社会が企業に向ける期待・監視の目は、以前と比べ相対的に厳しくなっていることは間違いなく、「信頼」を得るためのハードルが急速に上がっています。これからの企業は、厳しさを増す経済環境にあっても、こうした社会的ニーズを満たしながら成長していくことが求められるでしょう。

信頼を差別化の源泉へ – 企業成長のための新たな戦略

 このように、「信頼」に値しない企業が増加(少なくとも存在)しており、時には厳しく糾弾されることもある一方で、「信頼」を得るためのハードルはどんどん上がっている、というのがいまのビジネスの現状です。だとすれば、「信頼」を得るための努力を続ける企業と現状に甘んじる企業のレベル差は今後ますます広がり、その差は顧客の選択をはじめ、企業経営に大きな影響を与えるようになっていくでしょう。

 このような時代に、企業にとってまず求められるのは、取引に必要とされる最低限の「信頼」を維持し続けることであることは間違いありません。ですが、さらにもう一歩踏み込んで、他社に先んじて「信頼」を構築・強化し、効果的に訴求することで、競争を勝ち抜くための効果的な差別化の源泉にすることも可能になります。これからの時代、「信頼」の戦略的な活用が、企業にとって大きな武器となるのです。

トラスタライズ戦略 – 信頼を経営資源に

 当社は、この「信頼」と呼ばれる目に見えないものを新たな経営資源と位置づけ、もっと戦略的に蓄積・活用することで、中小企業の売上・利益の向上に直接つなげていくための方策を研究・ご提案するために設立されました。当社では、この「信頼」を可視化して企業の売上・利益に変える取り組みを「トラスタライズ」と名付け、社名にも掲げながらコンサルティングをご提供しています。このコラムでも、あなたの会社がこれまで培った信頼を活かして売上・利益を生み出し、さらなる成長軌道を描いていくためのヒントをご紹介していきます。

セミナー情報はこちら

信頼を対価に変えるトラスタライズ・セミナー
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次